その17

2024年03月07日 21:48

その17

『2024 入試問題あれこれ』

3月8日(2024)の入試本番も終わりましたが、試験終了後、「友達が泣き出した」と塾生が言っていました。思うように解けなかったからでしょう。それを「本人の実力不足だから」とか言いがちですが、私は入試問題そのものに欠陥があるような気がします。

公立高校の入試問題は、教科書内容を十分に理解していれば特別な勉強はしなくても全て解ける、というタテマエで作られているそうですが、明らかに大嘘です。昨年の入試は前年度等に比べ高難度の出題でした。全日制の合格者平均点が230点程度と低水準で、今年はさらに下回ると予想(進学舎HPから)されています。

レベルの高い高校が集中している都市部と、そうではない地域など、もちろん格差があっての平均点ですが、例えば昨年度の理科は、平均が35.4点です。想像してみて下さい。答案用紙の6割近く何も書けない白紙の状態を。学校の期末テストや学力テストなどで平均点が30点台になるテストは、明らかに出題ミスです。学習の成果を試す試験問題として不良品だと言えます。しかし、高校入試ではそれがまかり通っているのですね。私がみても「うわ!これは難しい」と感じるのですから。入試本番まで必死に勉強を続け、いざ受けてみたら問題集より難しい(理科)、傾向が変わった(国語)、分量が多い(社会、英語もかな?)、時間内に終わらない(数学)となったらそりゃ泣くでしょう。

さて、今年の予想点数です。設問ごとに、「普通、ちょいムズ、難、無理」の四段階評価をし、「普通」だけの点数と「ちょいムズ」までの点数を足しその平均を取りました。つまり、限られた時間の中で解答できる上限みたいなものです。旭川の上位3校を受験する生徒を念頭に置いての点数です。もちろん私の予想よりも点数が上回っている生徒さんもいることでしょう。

国語 68点、数学73点、社会 68点、理科58点、英語74点 / 合計341点

ちなみに道コン事務局(進学舎)による合格予想最低点(ランク-5科合計点)
旭川東(1.06倍) A-298、B-302、C-305
旭川北(1.13倍) A-228、B-259、C-262
旭川西(1.48倍) B-251、C-271、D-279

難しい入試だったとはいえ、英語長文の「nudge(s)」理論は、冬期講習中、別の英文で読んだことがあったし、数学の関数証明問題は直前にやったのとほぼ同じだったし、特に資料と関連づけられて出題された社会などは、授業中の雑談でよく扱うテーマでした。歴史の「大西洋憲章」とアメリカの戦争目的、公民の「集団安全保障」などは、時間を割いて授業中話したものでした。ただ、塾生が覚えていたかは定かじゃありませんが(笑)。それにしてもまたまたネタギレの北方領土。今年は知床から見える島の写真。こんなの学問的になんか意味ある?そろそろ出題するのやめたらと思いますけど。「知床旅情」で歌われてたっけ?

以上、受験生に冷たい道教委の入試問題を批判しましたが、マトモな入試問題講評は道コンのサイトでご覧下さいね。(各科目別の講評は後にアップするかもです)

追記1
受験後の塾生との会話。
「講習中にやったnudgeでたよね」(私)
「えーっ、意味わからんかったぁ」(塾生)

追記2
昨年は「入試問題あれこれ」の掲載をサボりました。「受験生への嫌がらせ問題(私の予想点数は280点でした)」にムカついていたからです。しかし、塾生は全員合格でホッとしてはいたのです。

追記3
3月18日合格発表。今年も全員合格でした。
にしても倍率の高いところでは大激戦だったようだ。

〈2024. 3.7〉

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